こちらが見積書を提出した際にたまにですが、
「諸経費ってなんですか?」
「ボッタクリじゃないですか?」
「なんで私たちが諸経費払わないといけないんですか?」
とおっしゃられるお客様が見えたりします。
確かに諸経費って何?って思いますね。
もろもろの経費で諸経費なんですが、何が経費で何が経費でないかはお客さんはわかりません。
下手したら従業員だってわかってないかもしれません。
今どき見積ソフトに諸経費設定なんていう項目があってそこを5%とか8%とかに設定したら諸経費の出来上がりになってしまいます。
諸経費ってなんでしょう?っていう話を少し。
住宅業界における諸経費は見積金額の5%~10%を取る業者が多いと思います。
諸経費があると悪い・高い、諸経費がないところはいい業者だ。
なんて思われる方も結構お見えになるかもしれません。
52円のハガキを62円へ交換するのに郵便局の手数料5円/枚でも手数料10%近く、電話の変更等でかかる事務手数料でも10%近くは取っていますので本来はそあったとしてもそんなにおかしいものではありません。
但し住宅の場合ですと2,000万円の5%で100万円の諸経費となるので、なんでそんなに?と思う気持ちも当然かと思います。
そこで諸経費とは一体なんなのか?必要なの?という事について書いてみたいと思います。
諸経費と一体どのようなものなのか。
建築業界における諸経費は大きくわけると現場経費と一般管理費の2つに分かれます。
それぞれの項目について細かく見ていきましょう。
現場経費
- 現場(労務)管理費 現場監督が現場を管理する費用・写真管理
- 保険料 工事については労災や瑕疵保険等保険を掛けますので、その費用
- 通信費 連絡を取り合う携帯やFAX,メール等の費用
- 交通費 いわゆるガソリン代などの費用
- 近隣対策費 挨拶の粗品やカラーコーンや仮囲いなどの費用等
- 機材損料 使う道具も使えば悪くなるので交換等にかかる費用
- 事務用品等
一般管理費
- 労務費 いわゆる従業員の給与等
- 宣伝広告費 チラシやWEBの広告費用
- 家賃 事務所の家賃または地代
- 運営費 事務所を運営していくの必要な光熱費・備品等
- 租税公課 印紙税・償却資産税・登録免許税・自動車税等
工事を円滑に進める為、または健全な運営をしていくためには様々な経費がかかっています。
それを見積書に諸経費として計上してあるのか、もしくは商品と工事に転嫁して見積を作成しているのか違いだけです。
そして企業が大きければ大きいほど諸経費も大きくなり、個人商店のようなところは経費が少なくてすみます。
ですので、諸経費があるからボッタクリ、ないから親切・安心という考え方は必ずしも正しい選択肢ではありません。
意外と同規模の会社でしたら、見積の書き方が違うだけという事もよくあります。
例えば
①A社
コンクリート工事 10㎡ 7,000円 =70,000円
諸経費 1式 3,500円
計 73,500円
②B社
コンクリート工事 10㎡ 7,350円 =73,500円
③C社
コンクリート工事 1式 =73,500円
諸経費があるなしにかかわらず、書き方や提示の仕方の違いだけで実は同額だったりします。
また業者によってはコンクリート工事は安く計上してあるけと外壁は高い。また逆もしかかりで、工事費用には明確な金額があるわけではないので、お客さんも何を基準にどの業者を選んでいいのかわからないという事になりかねませんが、結局はトータルの金額と会社の信頼度で決めてくださいという事になります。
伝えたいこと。
諸経費や中間マージンがないから安いという業者について
建築業は工事が伴う業種です。質が良く出来るだけお値打ちに価値が高いものを提供したい。これは多くの業者がそう思っているはずです。
チラシやホームページなどに諸経費を計上する業者は悪だ、大手は中間マージンを取っているから高い。当社は激安です。
という業者をあまり信用して欲しくありません。
ホームページのましてやTOPページに乗せるのは当社のコンセプトはどうでこういった家づくりをしています。自社の特徴を大いに知ってもらうべき場所に、諸経費は悪だ、中間マージンがどうと書いているような業者はうちの特徴は激安です。大した技量はありません。
という事を自分で白状しているだけのようにしか見えません。
実際そういう業者が一定数いますし、そういう業者に頼んでも満足のいく工事に出会える可能性は限りなく低いです。
後悔しない為にもしっかり業者の選定はして頂きたいと思います。
諸経費は必要経費
僕が働いている会社でも前述のとおり諸経費を取っていますが、仕事に関してはしっかりと提案をして責任をもって完了まで管理をしてお客様に満足を頂いています。
5%程度の諸経費を頂く場合が多いですが、会社はものすごく潤っているわけではなく毎年若干の利益しか残りません。
諸経費はお客さんが負担するべきであるとかないとかではなくて、会社の運営をしていくのに掛かる経費はお客様から得た利益からしか捻出することができません。
会社なので利益の中から経費を出して、従業員に給与を払って運営をして行かなければならないのは当然ですよね。
ですので、何度もくどいかもしれませんが、見積に諸経費があるないで判断することは間違っています。
最後に
一部の業者によって諸経費マジックだとか、見た目を安くして諸経費で稼いでいる悪徳業者がいるかような表現を見かけたのでちょっと気になりこの記事を書いてみました。
諸経費もなく、工事も綺麗でお値打ち出来れば一番良いと思います。
ただし、それが本当にできる業者は少ないです。
軽いうたい文句に騙されることなく真っ当な価格で、真っ当な工事業者に出会えるようしっかりと業者を見極めてもらえればと思います。
同じもの売っていて経費の掛かり方はそれぞれの企業で違います。
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