セールスマンと言うと何か上手く商品の説明をしてお客さんに物を売りつけるイメージというのは昔の話なんでしょうか。
今でも年配の方と商談をしたりしていると妙に警戒される方がまだ比較的多かったりします。
そんな時はひたすら話を聞いて説明をしてその警戒を解いて安心してもらうことに注力しています。
よく売れている営業マンは何か特別なトークを持っていたり、テクニックがあるようなイメージがありますがそれは違います。
よく売れる人は良く聞いて間違った提案をしない。希望通りの商品もしくはお客さんの希望以上の商品を提案しているから売れているんです。
客の為ではなく自分の仕事をスムーズに進める為に聞く
客の為ではなくと言うとちょっと語弊があるかもしれませんが結果お客さんの為になるという意味です。
会社で成績があまりよろしくない人たちにある共通点があります。
商品の提案について僕によく質問をしてきます。
「この商品はどの色がいいですかね?」
「ここの部分はどうしたらいいと思います?」
「見積もりがこんな金額になってしまったんですけどうしましょう?」
僕「それって俺に聞くことじゃないでしょ・・・」
解らないことをいろいろ質問してくれるのはいいことです。商品知識や工事技術の事などなんでも答えます。
ただ上記の質問ってお客さんに聞くべきことだよね?といつも言っています。
色の好みもお客さん。ここの部分はどうしましょう?こんな感じしましょうか?という提案もお客さんに、にすべきこと。金額はこれくらいことをしたら結構金額しますけどいいですか?と予めお客さん言っておけばいいでしょ?
と愚痴っぽくも聞こえてしまいますが、圧倒的にいろんなことが聞けていない場合が多いです。
僕らは自分で要望を聞き自分でCADで設計をして、自分で積算をしています。
その一連の仕事をスムーズにするためにはやっぱりお客さんからいかに情報を得ているかによって全然スピードが違ってきます。
僕に聞いて僕がこうすれば?と言った事とお客さんの好みが違えばどんなに素晴らしい提案でもこの営業マンは私たちの要望を全然聞いてくれていない。という結果しか残りません。
なので、自分が設計・積算をするために必要な情報を残らずお客さんから聞き出せれば結果仕事は早く進みます。
なおかつ要望通りの提案が出来てお客さんからも喜ばれ受注に繋がりやすいんです。
ヒアリングをするときには自分がものすごいもの提案してやろう、と思うのではなくお客さんは答えを持っているのでその答えをちゃんと聞いて正解の回答を提出するだけなんです。
そう考えるとちょっとヒアリングが簡単に思えてくるのではないでしょうか。
格好いい言葉は必要ない。まず聞く。全部聞き出す。
自分の作業を進める為に聞くと言いましたが、まずは全部聞き取る事が大切です。
予算や希望条件、何をどうしたいのか、優先順位はどうなのか。
先ほどの繰り返しになりますが、答えは全部お客さんが持っていてその答えを引き出せれば半分以上仕事は終了です。
例えば僕らの仕事の場合ですと、予算をお客さんに聞くとどれくらいかかるのか全くわからないから予算はわからない。と言われることが多々あります。
じゃあ一回見積作成してみますね。と言って終わるともう最悪です。とんでもなく高いプレゼンを作ってしまい、「高すぎるからちょっと無理そうだね。」とそこで試合終了になってしまいます。
予算を聞く際にわからないと言われたら、これぐらいの規模でしたらこれくらいの金額がかかりますけどどうですか?と一言追加してあげれば相手も、
「それくらいならちょうどいいね。」
「もうちょっと出せるよ」
「高すぎるからもう少し金額抑えて欲しい。」
と答えを引き出すことも可能となってきます。
またお客さんはなかなか本音を言ってくれません。
心に秘めていることを引き出してあげる事も大切です。
僕はいつも言う言葉があります。
「他にご要望はありませんか?」「他にはよろしかったですか?」
どうでしょうか。初回のニーズを調査するにあたって終盤4回から5回くらいはタイミングを見ながら言うようにしています。
普通の言葉ですが、これが結構効果的だったりします。
ぽつぽつと眠っている要望が出てくることが多いです。
その要望の中にはできればやりたいけど予算がちょっと・・・
とあえて言わなかったものも含まれていることも多く、予算があまりかからずに実現できるものもあったりします。
そこで提案をしてあげれば満足が上がります。
実現可能かどうかは一旦別としてもたくさん聞くことは満足度UPにもつながります。
なにかうまいこと言うのではなくとにかく相手の意見を引き出すことはとても重要です。
まとめ
提案営業をするにあたって特別なトーク技術は必要ありません。(あった方がよりベターですが)
まずはお客さんとの距離を近づける。そのためにいろんな事を聞くというのが最も重要であると思います。
沢山聞けばその後の仕事がスムーズに進み、作業の効率化にも繋がります。
沢山聞けばお客さんはこんな事まで聞いてくれるのか。と他社との差別化にも繋がり満足度が上がります。
話す、説明するという視点から聞き出すという視点へ切り替えるとまた営業の幅が広がるかもしれません。
聞く力、磨いてみてはいかがしょうか。
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